Zwar weiß ich viel, doch möchte ich alles wissen.
（私は多くを知るが、しかし。――全てを。全てを知りたいのだ）
――ファウストより

西暦二千二十七年。
《超人動乱》と呼ばれた大事件から五年。
首都の座を京都へと明け渡した東京には、未だ動乱の爪痕が残っている。

＜アルカナ＞と呼ばれる能力を持つ二十人の超人たち。
彼らが暗躍する東京は、現代の魔都と呼ぶに相応しい街へと変貌していた。

「政治」と「経済」「宗教」が対立する魔都東京。

そんな東京で暮らす少年、篝鏡夜。
ある日、＜アルカナ使い＞同士の戦闘に巻き込まれた彼は、
やがて黄昏と呼ばれることになる、
第二の《超人動乱》へと巻き込まれていく。
その最中。

月が冷たく輝く夜に、彼は、銀色の少女と出会う。

道化師は嗤う。舞台は整ったと。
魔術師は嘆く。世界はあまりにも残酷だと。

星の輝き満ちるとき、＜世界＞の歯車が回りだす。